第197章

藤原邦達の言葉を聞いた瞬間、島宮奈々未の背筋を、いやな予感がひやりとなぞった。

「叔父さん、冗談でしょう? 母は病気で亡くなったんです。どこに復讐する相手がいるんですか」

「病死じゃない。あのとき天瀬震のせいで、おまえの母さんはあんな病にかかった。臓器不全に追い込まれたんだ」

藤原邦達は声を荒らげる。感情が先に立っているのがはっきり分かった。

奈々未は話についていけず、ただ瞬きをした。

母が臓器不全で亡くなったのは事実だ。だが――天瀬震? 誰だ、それは。

このまま深掘りすれば、きっと親の世代の因縁が、どろりと顔を出す。そんな直感があった。

「叔父さん、落ち着いて。ゆっくりでいい...

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